秋の研究会 2013 レポート
日本バイオリン製作研究会
2013年11月02日 於:TKP東京駅前カンファレンスセンター
参加者:会員: 38名 奏者: 三澤裕美子さん(試奏、解説)
今回は「春の展示会」にておなじみのVn奏者、三澤裕美子さんに参加をお願いし展示会で音色評価の高かった6本のヴァイオリンの試奏とその感想を頂くことができました。
それぞれの個性や特徴を見いだしてお話をしてくださったので、今後の参考として多いに役立てることができるのではという印象を受けました。
進行と質疑の内容
• 会長挨拶 : 次回春の展示会の日程(5/17、18)と新入会員の紹介と挨拶
• 春の展示会「音の調査」集計結果について(和田氏):
展示会での会員アンケート集計表の説明と今回持ち込み楽器の選定法説明と三澤さんによる試奏、感想と質疑
• 三澤さんの楽器について胴長や各バウツ幅、アーチや横板の高さ等を計測し、その楽器を参考値として コメントや質疑応答が交わされました。
• 6台の参考楽器の詳細な寸法表を用意し音と弾き易さの違いを議論した。
• 各楽器の設計上のポイントを製作者に述べてもらいました。
• 三澤さんの楽器も計測し参考値として比較に用いた。
※1921年 Candi作 使用弦:ゴールドブラカット(E);ドミナント(他)
試奏とコメント (編集の都合上、奏者の感想のみ記載していますことをご了承ください)
1. 佐藤康夫氏製作
・艶やかな音E線が艶やか(乾いているが潤っている)・バランスが良い・明るい、こもってない、違いは感じる
・ネックの太さは手に感じるが、この楽器は違和感がなかった・高音は弾きやすかった
2. 上野八太郎氏製作
・音色はマイルド・A線が音の反応が良いと思った・駒上の弦間の幅が広い(D→Aに行くとき時間が掛かる)
・カーブが急
3. 柳 和宏氏製作
・弾きやすい・E線の高音がクリヤーと思った・G線、少しこもった感じ・作り立てでない感じ
4. 河村盛介氏製作
・全体にバランス良い・A、Dが裏返りそうな感じ(E線はよい)・整っている感じがする・軽い
5. 佐上浩三氏製作
・D線に少し違和感がある・小ぶりなので弾きやすいが、自分のと違うのでちょっと違和感がある。
・シックな音(品がある)
6. 増毛順治氏製作
・全体に優しい・E線の高音はキラキラした感じ・重い感じ
・ 最後に三澤さんの弾き易いと感じた楽器の計測を行いました。(河村氏と柳氏の楽器)
会の運営について
• 秋の研究会については音を出す必要性を再認識したと同時に、「基本」というテーマの設定について 良いご意見がでました。
• 回収したアンケートの内容は貴重なご意見が多く、項目別データベース化して今後の運営に生かします。
ビヤ・ブレークと材料等交換会
• 会場内ではありましたが簡単なおつまみを片手にビールで乾杯しました。ここでは会員同士の歓談で盛り上がり、
次回展示会への意気込みに溢れました。
• 材料等交換会では6名の会員から木材をはじめ駒などの部品製作用具工具がたくさん出品され、熱の入った交換会となった。



















