秋の研究会 2019レポート

日本バイオリン製作研究会
2019年11月2日 於:日本教育会館(一ツ橋ホール)703号室

1.三苫由木子さん講演会

  2018年イタリア・クレモナで開催されるアントニオ・スト
ラディバリ国際弦楽器製作コンクールで総合2位、音響部門で1位
を受賞した三苫由木子さんを招聘して、講演会を行いました。
 講演会では、コンクールに関する様々な体験を話されました。次
いで、質疑応答に移り、あらかじめ渡してあった質問内容や追加確
認などで、会員からの音響の良さに繋がる技術は何かについて、活
発な意見交換がなされました。
詳細については、今後発行されるVSJレポートや会員専用ページで
紹介していきます。

2.会員発表会

① バイオリンの型について    小嶋正三

最初に、ホームページに寄稿されている「バイオイン製作するに
あたっての型について」について、説明があった。次いで、会員
の高橋明さんがクレモナの学校を卒業された時の卒論内容ースト
ラディバリのヴァイオリンの型特定ーが紹介された。現在、実際
にストラディバリが使用した型が12個保存されているが、その
型とヴァイオリンの原寸大写真を、図面作成ソフトを使い、モン
タージュのように重ね合わせ、それぞれがどの型を使って製作さ
れたかをまとめたものである。この結果は今後、レポートや会員
専用ページで紹介していく。
また、型に関する上級編として、黄金比がどのように使用されて
いるかのページも、そのURLが紹介された。

② 休憩及び材料等譲渡・交換会

材料交換会

材料交換会では、図書や木材などが出品された。
また、木村さんより[エンドピンを通してSPを見る]と[上下ブ
ロックの堅牢化]の資料が紹介され、実際に製作したエンドピ
ンも渡された。
 

③ 材料の選び方     菅沼利夫

菅沼さん発表

発表では、良い楽器を製作するためには、表板の重要性
を強調され、条件としての密度・重量・産地やたたい
た際の音程はどの範囲に入らねばならないかを説明された。
 また、各モードの調べ方も具体的に示された。詳細は
VSJレポートや会員専用ページに発表していきます。

④ バイオリンの板厚について    小嶋正三

材料の選び方の補足説明のあと、バイオリンの板厚設定に
ついて、まず、実際のストラディバリウスの測定板厚の等
高線資料が配布され、左右非対称の実態を示した後、基本
的考え方、探求方法、板厚、ある楽器商、音と板厚の相関
について、資料に基づき語られた。

⑤ 次回の展示会についての意見交換 犬塚興一 

会員からのアンケート結果の説明がなされ、これに基づき、
今後の展示会に関する意見交換がなされた。この結果を踏
まえ、来年の展示会運営に反映していきます。

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